人工歯根を埋めるだけの骨がない場合は。
骨移植や、骨再生など、骨を増やす方法もあります。
骨量が足りない人は、意外にたくさんいらっしゃいます。
骨量不足の主な原因は、歯周病と、先天的(あるいは人種的)なものです。
歯周病の場合、歯肉炎から歯周炎まで進んでしまうと、歯槽骨が吸収されて、幅や高さが減少していきます。歯がぐらついて抜ける頃には、歯槽骨はかなり痩せ細っているのです。
先天的なものとしては、東洋人の傾向として上顎の骨が薄いことが挙げられます。
上顎洞という空洞が口の近くにあり、上顎の骨が薄いとインプラントが上顎洞に飛び出してしまいます。
その他、入れ歯を長年使用していると、歯槽骨が痩せてしまっている場合もあります。
入れ歯の不自由さに悩まされていて、インプラントにしたいと思っても、骨が薄かったり骨量が充分でなければ、従来は諦めざるを得ませんでした。
しかし、医療の進歩によって、現在では骨を増やす方法が開発されています。
選択肢の一つとして、骨を増やす治療を受けてからインプラントにするという方法もあるのです。
骨を増やす方法としては、まず骨移植があります。
患者本人の骨を採り、インプラントを埋入する歯槽骨に移植します。
おとがい部(下顎の正面)は口の中では最も骨量が多いので、ここから採取する場合が多くなっています。
大量の骨が必要な場合は腰骨の下にある腸骨から採取します。
採取した後の骨は、血液に骨芽細胞が含まれていて自然に再生していきます。
更に、骨を作る誘導剤も注入して、きれいに早く再生するようになっています。
通常は、骨移植数ヵ月でインプラント手術が可能になります。
また、上顎洞が口の近くにあって、上顎の骨が薄い場合は、頬の骨を上顎の骨の上に移植します。
この手術をサイナスリフト(上顎洞挙上術)と言います。
骨移植ではなく、骨を再生することでインプラントに必要な骨量を得る方法も実用化されつつあります。
細胞組織工学(ティッシュエンジニアリング)の応用で、患者本人の細胞を使用して骨を再生することが可能になっています。
骨量が足りなくても、さまざまな方法でインプラントができる可能性があります。
あきらめずに歯科医に相談してみてください。
