インプラント手術には精密な検査と技術・経験が欠かせません!
2007年インプラント手術を受けた患者さんが死亡された事故で警視庁は1日手術を施術した歯科医(67歳)を業務上過失致死の容疑で書類送検しました。死因は下あごの右奥歯の手術を受けていた最中に具合が急変。インプラントを埋め込むためにあけた穴があごの骨を貫通し、その下の動脈が損傷された結果、翌日午前、大量の出血に伴う血腫により窒息死された、という事故でした。
危険性を予測できたのに注意を怠ったまま、ドリルで穴をあけており、損傷した動脈について事故当時の医学水準では一般的ではなく、予測できなかったと主張。それに対して複数の専門家からすると一般的に知られていることで危険は認識できたと判断されたとのことでありました。現在まで歯科というと、虫歯の治療や入れ歯の処置など命に直接関わらないものだという認識があると思われますが、歯科領域の中でも口腔外科領域では昔からインプラントのみならず、口くう内のあらゆる手術を経験し、当然出血に対するリスク、対応についてもトレーニングを行っています。この窒息事故は決してインプラントに限ったものではなく、他の手術でも起こりえるものであり、そのため、インプラントは危険だという認識が国民の皆様に広がることは患者さんの不利益につながるものであると考えます。口腔外科でのトレーニング経験がない先生を対象に最近は各種学会などで解剖や画像検査などの研修会が行われているのをよく拝見します。インプラントは精密な検査、しっかりとした技術、経験をもった歯科医であれば恐ろしい治療ではなく、決して死亡事故につながるような治療ではないことを認識して下さい。そのために、十分なトレーニングを積んだ歯科医を選び、検査結果、リスク等十分な説明をお受けになってから安心して治療に臨んで下さい。
