"チタンが骨に、くっ着く"ことが発見されて以来
世界で累計約60万人以上が、インプラントで"第3の歯"を得ています
あごの骨に人工歯根を植え込むという方法は、昔から試みられてきました。
歴史を遡れば、インカ文明のミイラにエメラルドのインプラントが発見されています。
中国やエジプトでも象牙の歯が植えられた人骨が見つかっています。
人体には異物を排除するという作用が働きます。
ゴールドやコバルトクロム合金などが人工歯根として試されましたが、うまくいきませんでした。
しかし、1952年、ある偶然からスウェーデンのブローネマルク教授が"チタンと骨がくっつく"ことを発見したのです。
ウサギのすねの骨にチタン製の生体顕微鏡用器具を埋め込み、観察実験を終えて器具を取り外そうとしたら、ウサギの骨と器具のネジがくっついて離れません。
この偶然から、チタンが生体と親和性が高いことがわかったのです。
ブローネマルク教授は、その後、動物実験によってチタン製インプラントが骨と結合することを証明、チタンのこの性質をオッセオインテグレーションと名付けました。
オッセオは骨の、インテグレーションは結合という意味です。
そして、1965年に初めて人間にチタン製インプラントを埋め込む治療が行なわれました。
治療は成功し、その患者のインプラントは40年たった現在も問題なく機能しているそうです。
1977年、ブローネマルク教授のグループは、1965年~1975年の間に行なった約200人のデータを発表。
1981年には約2700の症例を発表しました。
治療完了後に5年経過したインプラントの残存率は、上顎約80%、下顎約90%という高率でした。
その後、アメリカの大学などでも実験が繰り返され、チタン製インプラントの安全性や機能性が確認されています。
インプラントは1965年から始まった比較的新しい治療法ではありますが、臨床に至るまでの豊富な動物実験、その後の臨床例の多さなどから安全性が確かめられています。
世界では約60万人以上の方が、インプラント治療を受けて、その恩恵にあずかっています。
日本では1980年代から、円柱上のブローネマルク型のインプラント治療が始まり、
普及が進んだのは90年代後半になってからです。
それだけに、インプラントを不安に思っている人も多いようですが、安全性が確立された治療法だということを理解していただければと思います。
